蚊取線香

このごろよく蚊取線香を焚く羽目になる。こと起りは八月のお盆前に、帰省の娘一家が使う部屋のクーラーが壊れてしまったことに始まる。工事にきた電気やさんが「奥さん、蚊取り線香貰えませんか」と庭から呼ぶのだった。

蚊取線香なんて我家で、もう十年くらいは見かけていない。ときどき、窓から見える藪を眺めながら、このごろ蚊というものも少なくなったんだなーと感心してからも、随分久しい。辛うじて肌に噴霧する虫除けがあったので、それを使って貰っているうちに、スーパーへ走った。

それにしても、あの蚊取り線香の緑色の渦巻きは古典的だ。この形は物心ついたころから同じである。匂いも色も大きさも変わっていない。それはパッケージにしてもだ。一目でわかるあの箱を一ヶ月ほど前のまつもと・かずやさんの家で見つけたときには、思わず「懐かしいわ」なんて言ったばかりなのである。あの箱は、なんだかひどく昔を感じさせるのだ。

工事の日は、さすがに庭に面している硝子戸を全開していたせいもあって、二階の私の部屋にいても蚊に襲われた。それでも全開にしておいたのはその日一日だけなのだから、2,3日すれば何時もの平穏な日々に戻る筈だった。

ところがあれから、一ヶ月以上過ぎているのだが、昼間でも蚊に刺されて慌てて香取線香を焚く羽目になり、一箱の蚊取り線香が尽きてしまった。こうなってみると、なぜ今まで使わないで居られたのが不思議だった。まるでトロイの木馬の中に居た兵士がどこかに隠れているみたいな感じだ。そういえば十年とはトロイ戦争の続いた年月くらいかもしれない。

コメント / トラックバック2件

  1. りのりの より:

    我が家では、ばっちり現役です、蚊取り線香☆
    引っ越し前も引っ越し後も、かわいいブタのまるい口から煙を吐いています♪
    懐かしいどころか、現在進行形!!

  2. そうですか。もしかしたら、我家はあるときから、家族臭、というか人間臭を感知させなかったのかもしれませんね。年中留守だったり、一部屋に閉じこもっているような生活で。
    大変!!!これからずーっと蚊取り線香が欠かせないかも。蚊に攻撃対象と認知されたみいだから。

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