8月15日

8月15日、終戦日。その日のごとく快晴だった。何気なく点けたテレビの画面に、長崎の原爆被害地を背景にした小学生たちの笑顔があった。その中の一番年嵩の少女の笑顔を追うドキュメントが放映されていた。

赤子を背負った少女が手を差し出して、何か手の上に乗せて貰って笑顔を作っていたのだ。その笑顔の理由と写真の中の子供たちの消息を追うもので、少女は生きていた。

辿り辿って、現在80歳ほどの女性と対面したというそれだけのことではあったが、その過程の中で自ずと解る戦争の空気があった。戦争を大上段に振りかざす論よりも些事に目を留めて追ってゆく過程のほうが心に染みることがある。

「件の会」の今年の「みなづき賞」は友岡子郷の『友岡子郷俳句集成』と「私の実感的俳句論『天真のことば』」へ与えられた。子郷氏の俳句論はまさに、日常の些事を一つずつ自分の内部に問いながら、前へ進む方法論なのである。句集とともに、読み甲斐のある文章であった。

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