まだですかー

以前ブログで「ことばのアルバム」と題して孫へ書いた手紙を出版してくれる人がいる。それを見直そうと思いながら、「石鼎評伝」の一件が落ち着かなくて待たしてしまっている。「まだですかー」と入稿を促されているところ。

ほんとうは、この出版してくれる話がある前からこの「ことばのアルバム」の文章を単純な手紙文でなく、子供の目線で書き直したいと思っていたが、方法が見付らないのである。子供の目線で書いた物語、あるいは子供が主役の物語はたくさんある。

そんなことから「赤毛のアン」・「にんじん」を読み返してみたが役に立たなかった。というのはそのどちらもが自意識、すなわち物心のついた子供の物語。随分以前に読んだ内容で判断するのだが、「鍋の中」は子供の目から描写した祖母の話。中ではいちばん子供の目線が生きている。

私が探しているのは、それらの物語よりはるかに年齢の低い幼児の話。フランスの映画「ポネット」はまさに幼女。突然の母の死を認められなくて、日々母を恋う話。でもこれも違う。探しているのは幼女を介した物語ではないのだ。私が探しているのは、何気ない日常を大人からの目線ではなく幼児に語らせたいのである。

要するに、背景が物語的だと、子供の視点やら、動作やら、考え方が少し、壊れてしまう。筆者の目を通して語られているに過ぎないのである。日常の見え方は、子ども自身の視点からはきっと違うように思える。いままでの小説はすべて大人の視点と変わらないのである。俳句なら予定調和とも言える。

そんなのないよ、と言われれば頷くしかないかもしれないが、もし書けたら新しい分野だ。もしかしたら、漫画などに赤ん坊が物語るようなものがないのだろうか。どなたか知恵を貸してくださる人がいるといいのだが。

それにしても、「石鼎評伝」を預けた出版社さんはわけが分からない。仕事をしている人達の揃ったところで、私のゲラの所在がわからないなんてことあるのだろうか。出来たらキャンセルしたい気分である。

コメント / トラックバック2件

  1. acacia より:

    面白そうですね、子供の言葉と言えば小学三年生とか四年生の頃の子供も面白い事言いますよ、二人の性格から来るものでしょうが一人は奇想天外ですし、
    もう一人は「おばあちゃんは何歳で死ぬの?」とか、ドキッとするけど「80歳までは生きたいなーまだまだ死にたくないしやりたいこといっぱいあるしー」と私。

    ゲラをなくしたら大変でしょう?お察しいたします。

  2.   acacia さん 
    ほんとうに、どこの家にも大冊になるほどいろいろなことがありますよね。
    それを書き残してあげるのも、いい贈り物になるかなーっと考えました。
    特別なことは何もないのですが。

     再校ややっと手にはいりました。明日から籠って最後の仕上げです。

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