広渡敬雄第二句集「ライカ」 2009年七月 ふらんす堂刊

昭和26年生れ。「沖」同人・「青垣」会員 栞 楷未知子
楷氏は「見かけはシンプルだが、実は重層性な作品」と評している。この重層性は、取り合わせの距離の程よいバランスから生れて、世界を広げているのだろう。

   内子座の幟に風や帰り花
   餡パンに塩味少し鳥の声
   水涸れてポケット版の鳥図鑑
   礁より生まるる波や花祭
   風涼し星涼し牛育ちけり

一句目、風の幟ではない。「幟に風や」のかすかな違いが「帰り花」の咲く気配に弾みをつけている。二句目の餡パンと鳥の声の距離こそが、作者の生活の中の視野であり、ひらめきの展開だと思う。

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