加古宗也句集『花の雨』  角川書店 2009年3月刊

加古宗也氏は「若竹」 主宰・この雑誌の源流は村上鬼城。

     地ねぶりの春呼ぶ伊達の郡かな
     瞽女歩みゐしかと越の斑雪野は
     鮎の川はさみ縄文文化圏
     竹夫人ころがつてゐる父の部屋
     また一つ訃やがうがうと蝉の穴
     風鈴や靜に灼くる能舞台
     木犀や尼となりたる白拍子

加古氏の俳句は、風景の裏側に投げられている。それは、過ぎた時代であり、積み重ねられた歴史である。句集名になった(花の雨熱きものいま身辺りに)の熱きものが過ぎた時代への想なのである。その重層性が俳句の骨格を作っている。

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