詩の波 詩の岸辺   松浦寿輝

毎日新聞 1月28日

「わたしの茂吉ノート」を「ににん」に連載している田中庸介さんが最近詩集『スウィートな群青の夢』を上梓したのは以前のブログで紹介した。今日は、その評が毎日新聞にかなりな長文で取り上げられていた。

ーー言葉が軽やかに滑ってゆく、卓抜な運動感の漲る詩集だ。語り手の「ぼく」「私」「おれ」も絶えず自転車や電車やバスに乗って移動しつづ、一瞬もとどまることがない。では、悪天候で室内に閉じ込めれたらどうする?

〈こんな、こんな雨の日に
こんな雨の日に彼女とスローテンポで
彼女とスローテンポで踊りたい。こんな
雨の日にスローテンポで(スロー・テンポ)〉

と、1969年東京生まれの田中さんを、評者松浦寿輝はどの詩にもさわやかさを感じ、とても好意的である。この詩集は食べ物、たとえば「すいか」「白玉タピオカ入りの熱いぜんざい」「ぶっかけうどん」などを主題にし、遠目に「歪んだ自我の蛇」を置きながら詩を書いている。

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