黛執句集『畦の木』 2009年1月刊 角川SSC

昭和五年生・「春野」主宰

五所平之助から手ほどきを受けて、その後「春燈」で安住敦に師事。

   朴の木に朴の花泛く月夜かな
   仏飯に湯気のひとすじ緑さす
   風の木になる梟の去つてより

上記の帯の自選句を見ると、やはり抒情派だと思う。

   祭笛吹くに遥かな眼をしたり
   鉄棒の匂つてゐたる西日かな
   接岸の擦疵しるき西日かな
   ひえびえと炎天に立つ煙かな
   下校児の一人は泣いて春の土手

どこを切り取っても、この作者の気配はゆるがない。

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