箭内 忍句集「シエスタ」 装丁は清水哲男2008年10月 (有)オフィス・シーナ
この装丁はいかにも清水さんらしい。そう思うのは清水さんが発信している「Zouhai_10000Pages」というネットで読む雑誌を見ると納得する。そこには毎号美しいグラビアが何ページもあるからである。
ぴーちゃんを埋むる穴に椿敷く
鬼灯や要らぬといへば痛む子宮
書き出しを変へても変へても雪催
腸の中より発ちぬ冬鷗
秋蝶は消え合鍵が鉢の下
1960年生れという年代を表出させた個であり孤の発信の一集である。清水さんも箭内さんも文学の森「俳句界」の編集に携っていたが、二人とも今年で編集からは降りるそうである。
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自註現代俳句シリーズ平沢陽子集 2008年12月・俳人協会刊
自註というのは俳句がはっきり自分史を形にするものだということをしみじみ感じさせた。
日溜りのごとく姉ゐてしどみ咲く
聞かざればよかりし風船かづらかな
いもうとのままに老いたり桜餅