荒井八雪第二句集『蝶ほどの』 3008年11月  文学の森刊

 著者略歴がきわめて簡単で、現在の所属が「句歌詩帖『草蔵』」「同人誌『大』」であることだけが書き記されている。終刊になった西野文代主宰の「文」にも参加していた。
句集の題名になったのは以下の作品
   
      蝶ほどの脳味噌あらば飛びにけり
    
一集は西野主宰の自在さに影響されていると思う。何気ない日常を視野に入れながら、その表現も沈着な写生。

   水底に影の伸びたる蝌蚪の紐
   巻葉まだ捧のやうなる芭蕉かな
   通されし部屋より夜の刈田かな
   牛膝ひとに着くとき尖りたる
   陽に当てし穀象逃げる逃げとほす

そうして取り合わせとも言えない偶発的な取り合わせの面白さ。

   流氷に合切袋一つ持ち
   蝌蚪生るる生春巻の皮透けて
   黒を着ておたまじゃくしと同じなり
   風船をつくときの唄忘れけり
   母あれば五月の第二日曜日
   けとばすに丁度いい石入学す

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