「ににん」26号へ転載しました

〜〜〜〜〜 ホームページ投句鑑賞より(洋より)〜〜〜〜〜
空中で羽蟻が翅を伸ばしをり      石田義風
★空中で羽蟻が羽を伸ばしていたからと言って、なんの不思議もない。だが作者はそのごく当りまえの風景、それも、蝶や燕や鷺とは比べ物にならない微小な羽蟻の翅に焦点をあてている。その小さな蟻が小さな羽根を伸ばしているのを、感じ入っているのである。命のありようをしみじみ愛しみたいようなひと時が、ふいに襲うことがあるものだ。(喜代子)
花やつで西洋菓子屋は入院す     三千夫
★花やつでとは、大きな手を連想させる花である。然れば、この西洋菓子屋こそ先般来より世間を騒がせている老舗「不二家」のことか。入院中とはよく言ったものだ。 「山崎パン」と言う、大きな医者の手によって、手術がなされ退院の目処がついたようで、製造が再開されるようである。「入院す」がお見事で、時事俳句の面目躍然たり。(竹野子)
洋一字賀状一杯書きにけり      acacia
★紋切型の挨拶文を受けるより、こんな年賀状を頂いたらいっぺんに新年が洋々たる思いに満たされるであろう。「一字」かつ「一杯」は、「最小」かつ「最大」の寿ぎである。小さな穴から大きなものを覗く世界、ここに俳人の心意気がしのばれて感激の賀状である。(昌子)
どれどれと洋間に作る置炬燵      祥子
★課題の文字を用いるために無理が多い中で掲句は不自然さを感じさせなかった。正月に子供連れの客が重なった折などに、見かける光景ではなかろうか。忘れられそうな季語が生かされて光っている。(恵子)
煤払読まぬ洋書は捨つべきか     祥子
★いつの間にか溜まってしまう本の山。埃の原因ともなります。それでも単なる書類と違って、何となく簡単に捨てられないのは、そこに自分のインテリジェンスの蓄積を覚えるからでしょう。洋書となればなおさらのこと。古本屋にリサイクルもおすすめですが、交通費を使ったらわりがあいません。今年の煤払まで、ハムレットのように考えて、答えを出してみては。(千晶)

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