一日句集を読んで

島村正氏 句集「未来」より
    雨脚も風脚も見ゆ大青田
    神杉に立てかけ障子洗ひゐし
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茨木和生氏 句集『畳薦』
    一点のごとく小さな菌かな
「畳薦』(たたみこも)のことばをあらためて認識した。さらに、何気なく見ていた茨木氏の住居が豪族平群氏の拠点。やはり奈良は奥が深い。冒頭の作品、「一点」という言葉の効果に驚く。言われてしまえばそれまでの何気ないことばであるが、それ以上の表現がないリアルな措辞
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伊藤敬子氏 句集『白根葵』
俳人協会訪中団の一員として中国をご一緒してから二十年近くになるのだが、昨日のような気がするほど伊藤敬子氏は変わらない。きっと一緒に年齢を重ねているからだ。
    揉み合ふて急ぎゆくなり雪解川
    無言にて籠へと疲れ鵜を封ず
    雪渓に日の当りゐて仰ぎをり
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須佐薫子氏 句集『聖徒』
    音立てて身ぬちの銀河流れをり 
    不知火も見世物小屋も消えにけり
    冬麗や豆腐屋いつも片付いて
何気ない言葉で、不思議さを見せる句が好きである。中でも「不知火」の句に惹かれる。

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