山口都茂女著・句集『大山蓮華』 角川書店
1932年生 西本一都に師事し、後に「藍生」創刊に参加する
春愁の砂買ひにゆく九十九里
牛乳はうらの泉にいつも二本
蝮草うしろすがたを伸ばしけり
斑猫とぶ起きて青年と歩く
曲るのがらくな糸瓜でありにけり
草の実や東をしらず西しらず
一匹の目高に出会ふ寒の甕
よく晴れて海は鳴るなり冬の鳥
うっかりしていると通り過ぎてしまいそうに何気ない。しかし、ひとたび立ち止まると、つぎつぎと立ち止まる。ひとことで言えば透明な滋味である。
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小澤克己著 『芭蕉が船でやって来た』
「奥の細道」深川〜草加水路説 東京図書出版会
小澤克己著 『奥の細道』新解説
〈旅の真実〉と〈旅の心理〉 東洋出版
たとえば、「深川〜草加水路説では‥‥舟に乗て送る。千じゅと云所にて船を上がれば‥‥
という件の「舟」と「船」に注目したりしながら、論を進めている。
そして、〈旅の真実〉と〈旅の心理〉 の書では、 旅の日程から、美意識的な日程へ書き込みながら、芭蕉にせまっている。
「奥の細道」は汲んでも汲み切れない魅力を内包した一書なのかもしれないと誰もが認識していると思う。そのことを、改めて感じさせてくれる著書である。
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高 千夏子著句集『底紅』
先生はメガホンが好き麦の秋
校長に切株ゆづり遠足子
小鳥来る何するとなく針持ちて
槙の実を食めば読めさう鐘の銘
面白い発想で楽しめる。
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こんばんわ。いつもお世話になっております。このたびは早速のお返事(メール)とブログにての「『奥の細道』新解説」と『芭蕉が舟でやって来た』のご感想をありがとうございました。厚く感謝申し上げます。以上です。今後とも何とぞよろしくお願い致します。