テーマ俳句『満』

ににん31号・夏号掲載 句 (七月五日刊)

満州といふ国ありき蜃気楼           岩田  勇
昭和の日緑の日あり光満つ             acacia
人生の満期継続四月馬鹿             隠岐灌木
満腹の仔猫まとまりとろとろとろ          坂石佳音
春満ちて鯨は沖に帰るとも              ミサゴン
満たされることの不安や沈丁花            さわこ
いつのまにグラス満たしぬ月朧           廣島屋
一人には独りの心春満月                みどり
満を持したんぽぽ宇宙へ出奔す           石田義風
満塁に三振の児よ揚雲雀             宮島 千生
不満などあるにはあれど麦とろろ            祥子
サクラサク余韻の嬉し天満宮              ぐみ
満つる家の灯り点るる朧かな             玉裳
満月や森の奥から深き声               祥子
満ち足りて現を探る水中花               蛙
満干や飯蛸坊主遍路の途               鴨三
満潮痕辿りて歩む浜の春              横浜風
満天の星を知らぬ子青き踏む             たんぽ
ひなぎくの咲く満席の喫茶店           宮島栄螺
満開の桜の下の道化役              西方来人
春の海タンカー沈み油満つ            たかゆき
春潮の満ちて客船押し上ぐる            ハジメ
自転車の籠に満載うぐひす菜         たかはし水生
満足にゆかぬ子育て水温む            たんぽぽ
満ち引きの潮の揺りかご春の泡            祥子
満天の星に抱かれ山眠る             西方来人
春満月ひとりになれば本開く              shin
宵の満つけだるくとどむ桃の花            鴨三
観世音春の声聞き満る花              志村ゆり
乳癌の妻も満足山桜                  藤尾
春朧欠けても満ちる三日の恋             小夜
囀りや今日も満席木のベンチ            みどり
春満月しみじみ観れば恐ろしき            藤尾
鞦韆を漕ぐ満々と夢のこと              阿愚林
朧夜の円満離婚呵々大笑               ぐみ
花満開池の湾曲灯りして               ハジメ
来し方に満点いくつ万愚節              華子
満ち満ちて雪解け水に春の光           伊藤 無二
囀りや今日の幸せ空に満ち              華子
春風に満艦飾の濯ぎ物               たんぽぽ
満々の笑みはちきれるしゃぼん玉          さわこ
小満の花殻摘みの手の染まる             遊起
小満の風み空より吹きにけり            中村光声
役満を振り込みさうな蛇苺             曇 遊
満ちて来る若葉の香り漕ぎ急ぐ           石川順一
満足は目分量なり夏来る              平田徳子
絵馬に満つアラビヤ文字や楠若葉         宮島 千生
牡丹咲く母の内海満つるころ           中村光声
遠足の子に満面のゑみまたゑみ          廣島屋
ちゃぽちゃぽと潮の満つ音春の岸           しま
合歓の花はらはら母の満中陰           森岡 忠志
大地震満州育ち初夏に逝く             acacia
満面の笑窪えくぼや初夏の山           acacia
満席のプラネタリウム夏めけり           中村光声
月満ちる森に仰げる新樹かな           中村光声
満身の力思はぬ餌引く蟻              宮島 千生
若さ満つ原宿界隈新樹光              中村光声
気がつけば沢音満ちし夏の宿             玉裳
陽炎の中のピッチャー二死満塁          岩田  勇
路地裏のたんぽぽ満開明日は晴        宮島 千生
満月に黒雲一片近付けり               祥子
満腹の目のすぐわかり花筏             廣島屋
糠床の真中の釘や春満つる            さじ太
満開のミモザに生きる重さあり           華子
花筏満ち潮にのり川のぼる              小夜
ゆらゆらと潮満ちきたる春の海          半右衛門
満開の桜の上の虚空かな              中村光声
時満ちて別れの朝の花散らし            小夜
満座から杯を受けるや鯉のぼり          西方来人
たかんなに山の命の満ちにけり          中村光声
見上げれば橡の花花花の満つ            acacia
円満に解決しよし合歓の花               蛙
病室の窓辺を満たす緑かな            宮島 千生
万緑の匂ひトラウマ満たされぬ          石川順一
葉桜の下満席のカフェテラス            中村光声
降る雨に満遍なくも春惜しむ            石川順一
家に満つカレーの匂ひ子供の日         森岡 忠志
たかんなの鋭気満たして吸ひつく刃          遊起
満天の星降る岬能登の闇             岩田  勇
満天を深呼吸せり花水木             宮島 千生
蝌蚪満つる天水桶となりにけり          中村光声
摩訶不思議満地球てふ春の宵            acacia

コメント / トラックバック2件

  1. acacia より:

    岩淵先生はじめご指導いただいてる先生、有難うございます。
    夏号につたない句を沢山取り上げてくださり嬉しいです。
    これからも俳句を通して人生を味わいたいと思ってます。
    岩淵先生私のブログ、、、見ていただき感謝です。山の生活に入り一年経ちました。
    罰当たりな私、父母に感謝をこめて、、書いています。

  2. 同時代の空気を吸って、生きてきているとおもいます。

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