冬の雨

俳人協会の図書館はいつも空いている。今日は雨だったせいか、先客は一人しか居なかった。そのあと三人ほどになったが、私は三時にはそこを出た。と言っても、図書館も四時でおわりだから、今日の利用者は四人ほど、ということになるのだろう。

図書館といえば、私は国会図書館が好きである。重厚な建物で、音の吸収率がいい。その上に広々しているので、気を使わない。草臥れたら、机の上はそのまま広げておいて、館内のレストランでお茶してくる、という一日掛りでいくのである。難はコピーやら、書庫から探して来てくれる本を待つのに手間取ることである。もう一つは広すぎて中で迷ってしまうことである。

何故か国会図書館には古い雑誌が少ない。「鹿火屋」などは昭和十四年以降しか置いていない。さすがは「ホトトギス」は創刊から保存されている。最近知ったのだが、日本近代文学館の図書館にはその「雑誌」がたくさんある。鹿火屋は大正11年から保存されている。石鼎が鹿火屋創刊を果たしたのは大正十年だから、ほんの初期だけ欠けているだけなのが嬉しい。こんど出かけてみようと思う。

今日はだらだらと一日雨だった。秋なら秋霖というのだが、時雨というような降り方ではない。こういうだらだら降るのをなんていうんだったか。歳時記では「冬の雨」とひとくくりである。でも、そうだとすると、なんだか使いにくい季語だ。まだ、この時期に「冬の雨」とは言いたくない。

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