ルリの独り言

冬にはいると、ルリの昼間の居場所はテレビの上。行儀よく前足を揃えて、その上に長い尻尾を乗せて置物みたいに静かだった。人間ならさしずめ正座の形である。
そんな収まりかえった姿が目に入ると、無聊を持て余すわたしの遊び道具になる。
偶然食べていたものを欲しそうに見上げたので、クッキを持った手を高く差し上げてみた。ルリはやすやすと飛びついてくる。はじめは椅子に坐った腕を水平にした高さからクッキーを与えていたが、次第に高くなった。立った位置で思い切り高く伸ばした手までは飛びつくことが分かった。
−−しんどい食べ方だなーー
ルリはきっと、私の餌の与え方はこれなんだと信じているだろう。
紐でじゃらしたりしてみることもあった。どのことも、ルリが嫌になるという事はないので、いつもこちらが飽きてしまうのである。
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「ルリメ」ノ私ニ言ワセレバ、ヒタスラ夜ヲ待チナガラ暮ラシテイルノダ。
ダッテ、昼間は恐怖バカリデ面白クナイ。コノ家ノ主婦ハ乱暴デ、トキドキ通リスガリニ、寝テイル背中ヲ踏ミツケテユク。踏ムトイッテモ、マサカ体重ハ乗ナイガ、ソレデモ、恐ロシイカラ、「ギャッ」トイウ声ヲ上ゲルト、ソレガ面白イラシクテ、何回モフミツケル。抱イタトキデモ、普通ジャーナイノダ。
両腕デ抱キシメルトイエバ格好ガイイノダガ、「ギャッ」トイウ声ヲ出サセタクッテ、抱キシメルノデアル。
ソウスルト、コノ家ノ主ガ何処カラカ目ヲ丸クシテ飛ンデクル。
「やめろよ」
ソノ言葉デヤット開放サレルノダ。
ソウ、コノ残酷ナ儀式ハ、コノ家ノ主婦ガ、「ルリメ」のワタシヲ使ッテ、ソノ連レ合イト遊ンデイルノデアル。コノ家ノ小学生ヨリモ性格ガワルイ。マッタク!!!
と、ルリめは言っているに違いない。

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