文鳥 2

連れ合いの朝の仕事に文鳥の餌やりが加わった。その甲斐あって、文鳥や猫の家私への態度の差別は、尋常ではなかった。
ルリの連れ合いに寄せる信頼度は、連れ合いの身辺を片時も離れようとしないことで現れていた。
文鳥のそれもまた傍目を憚らない差別を見せた。なにしろ、連れ合いの歩くところどこまででもついてゆく。誰かが、自分の足元に引き寄せても、決して意のままにはならない。
「近くの煙草屋までついてきたよ」
そう言いながら、外出から戻った連れ合いの手に、文鳥は幸せそうに黒い目を見開いていた。

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