つまみたる山を春野に下ろしけり
たんぽぽは誰の子といふでもなく
春の暮町はつながりあうてをり
知つてゐるやうな桜になつてをり
蝙蝠の夕べ電信柱立つ
陶枕の夢に遅れてくる日暮
椅子の背に木の固さありクリスマス
炬燵寝の顔が大きくなりにけり
クレソンの根元を通りすぎる水
一日に終りがありて胡桃割る
水彩の童画のような風景がつぎつぎに展開されていく。自在な言葉使いの出来る作者だ。なんでもないない日常の風景を組み立て直して、虚実皮膜の世界を語りはじめる。「雲」同人。
つまみたる山を春野に下ろしけり
たんぽぽは誰の子といふでもなく
春の暮町はつながりあうてをり
知つてゐるやうな桜になつてをり
蝙蝠の夕べ電信柱立つ
陶枕の夢に遅れてくる日暮
椅子の背に木の固さありクリスマス
炬燵寝の顔が大きくなりにけり
クレソンの根元を通りすぎる水
一日に終りがありて胡桃割る
水彩の童画のような風景がつぎつぎに展開されていく。自在な言葉使いの出来る作者だ。なんでもないない日常の風景を組み立て直して、虚実皮膜の世界を語りはじめる。「雲」同人。
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