この頃の柿の葉は一日ごとに大きくなる。てらてらと5月の光に薄緑の葉を茂らせて、今、いちばん生命力を感じさせる樹木である。その柿の葉を使って、毎年一回は柿の葉寿司なるものを作る。柿の葉は腐敗を防ぐ成分があるのだ。昔の人はそれを知って柿の葉寿司を作り始めたのだろう。
吉野で作られている柿の葉はもっと大きな葉になってから使われるのだが、私のは若葉のころの小さい葉である。ただ寿司飯と鯖やサーモンの酢に均したものを柿の葉に乗せて二つ折りにするだけである。そうして箱に詰めて、重しをしておくだけだから、いとも簡単である。写真の柿の葉寿司は出来たてで、葉が寿司飯になじんでいない。開いてみれば一口に入る大きさである。
この柿の葉寿司を教えてもらったのは、20年位前の連句を捲いていた頃。関口芭蕉庵で東明雅先生を中心に座が持たれていたが、皆さん風雅な食べ物を持っていらっしゃった。その中に、この柿の葉寿司があった。
今時分の柿の葉、大好きです!
柿の葉寿司、こうして写真でみるとほんとに一目瞭然なんですね。
わたしも作ってみたくなりました。
どうぞお試しください。ささやかな演出効果ですが。