『絵硝子』5月号  主宰・和田順子

現代俳句鑑賞      評者 金田美穂

    急行の速度になればみな枯野             岩淵喜代子
                                              「俳句」二月号より
 
 誰もが経験している車窓の景であるが、つい見逃がしてしまいがちな事柄を詠んでおられる。ゆっくりと走り始める時などは、枯れ草の中にも、それぞれの花や青い葉を目視することも出来ようが、速度をあげて窓の景色が流れは
じめると、枯れ一色となってしまう。日常の生活の中において、人と異なる所に目を配る大切さを改めて肝に銘じた。

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