磯辺勝著『巨人たちの俳句』ーー源内から荷風まで  平凡社新書

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 小説家の永井荷風・社会主義者の堺利彦・民族学者の南方熊楠・僧侶の物外和尚・博物学者の平賀源内・歌舞伎役者の二世市川団十郎の俳句を読み解きながら生涯を語り、俳句を語っている。

 これらの人物に俳句などなくてもよかったのかもしれないが、俳句がなければ羽飾りのついた帽子から羽でも取り去ったように、遊びのない生涯になっただろうと筆者はいう。磯辺氏は談林派より蕉風が優れているとは思っていないという自論に照らしながらの俳句鑑賞である。
 
 この本の面白さは、一編ずつの内容の濃さだ。例えばあまり馴染みのない社会主義者の堺利彦の生涯を追いながら、そこに横糸のようにつぎつぎと立ち現れる人物に目を見張る。

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