おしゃれな句集、おしゃれな装丁、その上に、佐々木六戈さんの序文がまたおしゃれなのだ。それは六戈氏の率いる「草藏」の雰囲気なのではないかとおもった。何気ない風景を切り取りながら、その叙法の仕方が、詩情に置き換わっていくという感じである。
通夜に焚く葡萄の枝の枯れたるを
枯芝に忘れてゆきし絵筆かな
遠足の朝引越してゆきにけり
このところ筍を煮て蕗を煮て
白鳥の頭の見えぬ背中かな
十薬を挿して届かぬ壜の底
月光のさつき誰かが居りし石
冬ぬくし兎に白き名をつけて
拙句集を鑑賞してくださり、ありがとうございます。
挙げてくださった句の数々…うれしく読ませていただきました。
そして、今まさに「このところ筍を煮て蕗を煮て」の日々。
こんな力の抜けた句がまたできるといいのですが。
今後とも「草藏」共々、よろしくお願い申しあげます。
お目にとまって恐縮です。明るさが魅力でした。