角川『俳句』4月号

俳句月評     評者 小林貴子

  蝋梅の蕊もろともに象牙色     岩淵だ代子
  水餅の浅きところへ手を入れる   ″
                            (『俳句』2月号「枯野」より)

 一句目、蝋梅が咲きはじめると春も近いかと嬉しくなるが、ロウバイとはよく名づけられたもので、どこか作り物の蝋細工めいており、生き生きと生きているのか、寒さに負けて凍ててしまったのか、判然としない。象牙色と言われて、また新しい見方が加わった。二句目は句材の水餅が懐かしさを呼び起す。餅に対しても水に対しても、いきなり深みを掴もうとするような乱暴な扱いはしない。〈浅きところへ手を入れる〉と言われると、生活感を離れた叙情性が付与されるのは不思議だ。

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