『ランブル』4月号 主宰・上田日差子

現代俳句鑑賞              筆者 今野好江

    急行の速度になればみな枯野      岩淵喜代子
                         『俳句』二月号「。枯野」より

 一九七〇年にはじまる高齢化社会が加速している所為か、近ごろ脳科学の発達や身体や健康に関するテレビ番組が多くなった。
 確かに若い時に出来たことが急速に出来なくなっているとか――。例えば急行の止まらぬ駅名を読み取ることが出来なくなっているのは動体視力の衰えなのであろうか。
 急行の速度は満目蕭条とした枯野の景を展げてゆく。 しかし見方によれば枯れきった野は暖色系の色として、あっけらかんとした明るい景ともいえるのではなかろうか。同時掲載の〈水餅の浅きところへ手を入れる〉の浅きところの微妙な着眼に達観した作者の眼を感じるのである。

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