『狩』4月号 主宰・鷹羽狩行

秀句探訪

「俳句年鑑」2010年版より   筆者  中村龍徳

   尾があれば尾も揺れをらむ半仙戯   岩淵喜代子

半仙戯はぶらんこの異名であり、半ば仙人になるような気分がすることからこう名付けられたという。ぶらんこの醍醐味は何と言っても風を切る爽快感、そして最高点に達し、落ち始める際の一瞬の無重力感覚であろう。重力から解放され、羽を得たように、あるいは大地に躍動する動物のように、半仙戯で人は人ではなくなる。それを掲句は「尾があれば尾も揺れをらむ」と表現した。仙人ならぬ、尾のある何かになる、と捉えたことで、風や揺れの感覚まで生き生きと表現できた。

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