『濃美』年4月号 主宰 太田博賀

現代俳句月評   筆者 中原けんじ

  一枚の熊の毛皮の大欠伸     岩淵喜代子
                          俳句二月号「枯野」より

 一読、男性の句だと思った。改めて女性句と知ったものの、この発見の大胆さに、少し後退りする?気持。とは云い過ぎであるものの、何と大らかな措辞であろうか。一刀両断の鞣し熊も本望かも?。俳句の楽しさをこの作者に改めて教えて頂いた気がする。
 
 〈目も鼻もありて平や福笑〉
 〈急行の速度になればみな枯野〉

 どんなメガネを掛ければこのような切り口が見えるのか。今後の不思議さに注目。

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