オンデマント

オンデマント方式という印刷技法は随分前から聞いていた。言えば必要な部数だけ作るという方式だ。「ににん」を創刊しようと思った頃、そのオンデマント方式のほうが安価だろうと思って調べたことがある。しかし、小数部では案外高くて諦めたのだ。

あれから10年になる。そのオンデマントの印刷機そのものが進歩しているらしい。最近、まだ日本には数台しか入っていないというオンデマント印刷機を導入した愛媛の印刷会社さんが、わたしの小さな文章を本にしてくれた。以前ブログで数ヶ月連載した孫への手紙だ。

これも本当は素材のままではなくて、皆川博子の『蝶』のような、村田喜代子の『鍋の中』のような子供の視点に置き換えたものを書きたかったので、ずっとあたためてきた文章だった。子供の目線で書く小説風にしたかったのだ。石鼎に取り付かれなければ、もう少し暖めてもいいと思ったが、その余裕もなくなったのですっかり空っぽにすることにした。

結局素材のまんまで原稿用紙にしたら何枚になるのか。とにかく本は148頁(税込み1500円)ある。以前ブログで読んでいた方は、内容を知っていると思う。違う分野なので、相原梓のペンネームにした。これでも書店にも出るらしい。「とりあえず10冊作ってきたから」とポンとテーブルの上に置いた本。わたしは必要なだけ8掛けで買えばいいのだという。

「これで何か誤植や直すところがあったら直しますから」、というのだった。やはりオンデンマントを実感した。28日が孫の誕生日。ちょうどいいプレゼントになった。ちなみに私は10月23日。今日は有楽町駅近くの「バー保志」を借りきりで、ささやかなお祝いだった。またバースデイケーキを用意していただいた。今年はケーキづいている。

『ふたりの女の子  - ことばのアルバム』  

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コメント / トラックバック2件

  1. 黒子 より:

    オンデマンド出版、おめでとうございます。
    あーちゃんの一ファンです。
    あの作品は非常に印象に強い、おっしゃる通り視点の違うことが新鮮なお話でした。

  2. ありがとうございます。
    結局は、あのままの本になりました。

    実はあのブログはあれだけ単独に作っておりましたので、
    そのまま放っておきましたら、文字ごとに、例えば「赤ちゃん」ということばには
    赤ちゃん製品の広告、「書く」などのには文房具の広告と、それは文字全部が
    何かの広告にリンクするようになっていて、吃驚しました。

    それで、一気に削除するはめになりました。

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