ときどきリラクレーション

「ホーー」と一緒に声を上げていた。見えなくても、その表情は想像できる。きっと、何かに共鳴して頬をすぼめながら口を丸く開けているに違いない。若い女性がよくする表情だ。

「足湯もあって・・。私は彼といくの」
「わー、それいいわねー」
「中では、好きな柄の浴衣が貸してくれるし。」

そのあたりで、はっきり目が覚めてきた。会話は隣の施術台の上なのだ。エステを受けている女性も、エステティシャンも同じくらいの年齢みたい。そうして、その話題になっているのがお台場にある日帰り東京温泉であることも、わかった。「そうそう、館内は夜店のような雰囲気を作ってあるのよね」と言いそうになったが、私は、パック中で口も開かない。目もガーゼが被さっていた。

首筋が凝って、頭痛や肩凝りに及ぶ。しかし、「マッサージ」は強すぎることがあるので、「エステサロン」の方が安全なのだ。鍼灸の治療もときには受けている。今通っている「エステサロン」も、私がリラクレーションを求めているのを察して、首を念入りにほぐしてくれる。

気持ちよくて寝てしまうことがあるのだが、何だか眠ると損をしたような気分になる。

「あー、でも彼はお風呂嫌いだからなー」
「どうして」
「なるべくシャワーで済ませてしまおうとするのよ」

隣ではまだ会話が続いていた。既婚者ではなさそうだけど、気にすれば気になるような内容だ。

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