平林寺

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『俳句&あふふぁ』4・5月号  14日発売(毎日新聞広告転載)

 わたしのお勧めの平林寺吟行が掲載されている。撮影から2ヶ月経っているが、気がつけば春がある、という感じだろう。禅寺だから花がすくない。雑誌に唯一写されている山茶花も残っているのかどうか。

梅やまんさくはもう終っていて、やはりひっそりとしているかもしれないが、春の芽吹く呼吸がきこえるかもしれない。

   えいえいと餅搗きゐたる平林寺     日美清史
   平林寺寒ムや本来無一物        川崎展宏
   みづいろの風花降りぬ平林寺      渡辺 恭子
   粗朶積んで平林寺雪安居かな      原田しずえ
   根より湧く水の軽さよ野火止は      原裕
   森閑と平林寺領木の実落つ       深見けん二

   草萌や野火止塚の小高さに       深見けん二
   秋声や野火止用水翳なせる       加藤安希子
   
   めぐらすに蝌蚪の水あり平林寺     作者失念

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  1. 猫髭 より:

      寒林になつてしまつた青年ら 岩淵喜代子

    我が青春の平林寺。中学時代からの友人と大学へ入るため上京したときも一緒の下宿に住み、やがて職を得て、彼は大泉学園、わたくしは国分寺恋ヶ窪と離れ住みながらも、休みのたびにあっていたその友人に、わたくしの恋人を紹介して一緒に歩いたのが冬の平林寺でした。わたくしの恋人に惹かれた友人は、職を辞して郷里に帰り、わたくしもそのあと恋人と別れました。喜代子さんの掲出句を読んだとき、三人で枯葉を踏みながら平林寺の冬の道を歩いた記憶が鮮やかに甦りました。「今はやりの格好をした青年の姿」ではなく、「忘れねばこそ思い出ださず候」と、昭和五十年代の格好をした青年として。あれから三十年。野火止は戀火止だったのか。

      薔薇園を去れと音楽鳴りわたる 喜代子

    も、美しく哀しく、絢爛と心に響きました。

    来月の黒川での里山吟行、ご一緒できるのを楽しみにしています。

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