有楽町駅界隈の居酒屋は満員だった。それを知ってか、事前に予約を入れておいてくれたので、ガード下の店の奥には私たちの人数分のテーブルだけが空いていた。
読売ホールで行なわれたシャンソンリサイタルは島本弘子。初めて聞く名前であった。このごろは、シャンソンなどはあまり流れなくなった。客席を埋めていたのも、ほとんどが、シャンソンの盛んに謳われた時代の人のようだった。その曲が、日本の演歌に位置するものではあっても、当時はその異国情緒に魅かれた。
曲目は、枯葉によせて・枯葉・モンマルトルの丘・アプレトワ等など・そうして、二部ではジルベールベコー集。
飲み屋の席に落ち着くと、サルヴァトール・アダモ イヴ・モンタン 、日本なら、越路吹雪・岸洋子 ・戸川昌子・芦野宏 ・高英男の名前をみんなが思い出した。その切なさが魅力なのだが、今日の歌には、それが薄かった。 それにしても、木曜日でも、深夜まで、居酒屋の席が空くことがなかった。