桜咲くところは風の吹くところ 句集 「嘘のやう影のやう] より
月に叢雲、花に風。好事にはとかくさしさわりが多いたとえだが、実際にも花見の
ときはよく強風が吹く。すぐに思い出すのは、井伏鱒二の漢詩訳詩
はなにあらしの
たとへもあるぞ
さよならだけが
人生だ
の一節。坂口安吾は小説『桜の森の満開の下』において、満開の桜の森は風もないの
にごうごうと風が吹いている、と書き出している。卓抜な逆説だが、掲出句もこれに通じる。
四月四日 「愛媛新聞」「信濃毎日新聞」
桜咲くところは風の吹くところ 句集 「嘘のやう影のやう] より
月に叢雲、花に風。好事にはとかくさしさわりが多いたとえだが、実際にも花見の
ときはよく強風が吹く。すぐに思い出すのは、井伏鱒二の漢詩訳詩
はなにあらしの
たとへもあるぞ
さよならだけが
人生だ
の一節。坂口安吾は小説『桜の森の満開の下』において、満開の桜の森は風もないの
にごうごうと風が吹いている、と書き出している。卓抜な逆説だが、掲出句もこれに通じる。
四月四日 「愛媛新聞」「信濃毎日新聞」
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