時雨忌

 連句はこのごろ年一回、上野の文化会館で行なわれる時雨忌に参加するだけになった。今回参加したグループの捌き手は早稲田の助教授宮脇真彦氏。教え子を連れてきたせいか、付け句の流れを解説しながら進行したので、、分かり易かった。なんていうと、川野蓼艸さんに何年連句をやっているんだと言われそうだが。

平成十八年十二月十七日 第三十三回俳諧時雨忌   脇起し歌仙 「時雨の宿」の巻


人々を時雨よ宿は寒くとも                    翁
ざわめく街を短日の窓                     真彦
四分音符指運びの手つたなくて                沙綺
ネクタイ二本重ね締めをり                   粗濫
湖のどこからどこへ月の舟                  喜代子
葡萄の房のいつか色づく                    由美

まづいなと思ひながらも今年酒                亞住
携帯電話(ケイタイ)閉ぢて開くためらひ          有美心
中の現場を写すヘリコプター                 俊彦
耳の真珠を舌でなぞつて                   有美
書庫匂ふ金?梅の薄埃                    沙綺
トロイメライが鳴つて聖夜ぞ                 粗濫
月光にお化け屋敷の人浮かび               俊彦
蝸牛にでもなつて角出す                    喜代子
スカウトの名刺は嘘か誠かと                  沙綺
拉致問題はまたも棚上げ                    俊彦
この道はなつかしき道花盛                  亞住
子等散らばつて野遊びの岡                   由美
ナオ
卒業証書竹刀に面を取られたり                粗濫
飛行機雲のまつすぐにのび                   喜代子
霍乱の男を乗せて救急車                    俊彦
焼いて忘れん嫌な現実                      亞住
あきらめた夢のひとつに恋の夢                 粗濫
手玉にとつたり受け流したり                  亞住
トタン屋根ころげ落ちたる猫のゐて              粗濫
放生会過ぐ池の夕暮                       俊彦
捨て置きし螺鈿細工に月の暈                 有美
秋の袷に眼鏡さがせり                      喜代子
ミツフィーとはおのがことかとナインチェ言ひ         沙綺
宇宙の果へ一瞬の旅                      俊彦
ナウ
雨上る新樹の走りだしさうに                   粗濫
海青ければ飛び込んでみる                   由美
言ふならば窃盗強盗骨董屋                  沙綺
誰染みつけしテーブルクロス                  有美
寺々に天の邪鬼ゐる花の雲                   真彦
巣箱の穴を風のそよげる                     俊彦

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