秋のお茶会

護国寺駅を降りるあたりから、それらしい着物姿の女性をあちらこちらに見かけて。多分護国寺のお茶会にいく人ではないかと思いながら後ろに付くと、やはり仁王門を潜っていった。

友人に、今度の日曜日は空いているのと聞かれて、空いていると言ったら「お茶会の券」をくれた。「護国寺の中は見たことがないので、この際じっくり見学するのもいいかと思って、参加することにした。護国寺の月光殿が、まもなく改修工事がはじまるのだというから、見納めであるから古い月光殿を見るのも、最初で最後になる。この月光殿は近江の三井寺から移築したもの。柱は抱えきれないような立派柱を使った本堂は紀伊国屋文左衛門が運んだ材木である。

今回の茶席はすべて淹茶席。世にお煎茶作法を教えるところがあるのは聞いていたが、体験するのは始めてだった。玉露、煎茶は普通だが、紅茶席と酒席というのもあった。作法はお抹茶作法と同じようなものだが、すべての道具が小振りで可愛かった。置炉も直径20センチもないような筒型の炉は、昔家庭で使っていたコンロと同じ仕組み。下から小さな団扇でぱたぱたと煽いでいた。

どの茶席の床の間にも、盛り物が置かれ、仏手柑や南瓜や鬼柚子、それから烏瓜など、秋一色で楽しい。護国寺の中にこんなに茶室があったことも始めての認識、艸雷菴・高卓間・月窓軒・化生庵・宗澄菴・不味軒・円成菴・羅装菴・・・・。

おしのぎを頂く前に酒席に入った。今日の秋日和に叶った「越の寒菊」、そんな名前もあったのだ。お酒の燗の温度で、味がこんなに違うものかと思うほど、はじめと二度目のお酒の味は違っていた。おとなりの人が「できたらコップで戴きたい」と囁いていた。

玉露席でお茶の産地を伺うと宇治だといった。本来、宇治のお茶は、こくのある玉露か抹茶用なのではないだろうか。それ以外の煎茶・席ではみな関東のお茶。私自身、宇治のお茶の癖のある味が好みではない。お茶人たちもそれを知っているのでないだろうか。

三人ほどでたしなむような小さな茶席をいつまでも居たいような気持ちで見回した。そういえば石鼎の家の茶室もこのくらい小さかったことを思い出した。私が訪れた頃は、正面の壁を掘り込んだ棚にお位牌を祀ってあったが・・・・。

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