月刊誌『NHK学園』 筆者・西村和子
日焼子に往復切符与へけり 岩淵喜代子
夏休みの了供に一人旅をさせるのでしょう。親が切符を買って与えるというのですから、まだやっと一人で特急に乗るくらいの子。日焼けしてたくましくなったとはいえ、少年期に入ったばかりの学童でしょう。
あるいは少女かもしれません。おじいちゃん、おばあちゃんの家に一人で行って来る、そんなことが想像されます。
旅行と言えば必ず親が連れて行ったものなのに、今年は一人で行けるようになった。そんな時、日焼けした我が子が一段としっかりして来たように見えるものです。