岩田由美第三句集『花束』 2010年7月 ふらんす堂刊

 少しづつ脱ぎて薄暑の少年は
 街角で我が子に会ひぬ風光る
 をばさんが走つてゆけば夏蜜柑
 三人に見つめられゐて西瓜切る
 前足をしまひ直して猫の秋
 ひと抱へほどなる蝌蚪の紐を見し
 日あたればきれいな街よ秋日和
 青嵐見てゐしがもう夕方に
 団栗のたびたび箒逃れては
 遠くから見ればハンサム百日紅

栞で深見氏が「日常の非凡さ」と評している。それが句集の随所で諾われる。大仰な比喩も大仰な観念語を使用することなく、きわめて日常的な言語で、

  団栗のたびたび箒逃れては

のように、写実から導かれていくの世界が巻末にゆくほど自在である。

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