2008年3月 のアーカイブ

校了

2008年3月5日 水曜日

本当は「ににん」の原稿はデーターも紙焼きも、4日に印刷所に入れる予定だった。そんな手順で進めてたきし、とりあえず、原稿もぎりぎり3日の夜中に揃ったからである。しかしやはり一日伸ばすことに決めたのは、あまりにぎりぎりで入った原稿が、気になったからである。

私などは、原稿を頼まれたら締め切りよりもかなり早く仕上げるつもりで、取り掛かる。出来あがらないと困るという不安があるからである。ところが、磯辺さんもそうだったが、田中さんも締め切りが来てから書き始めるタイプなのである。ほんとに、「もっー」と頭から角を出したい感じなのだが、それでも、なんとか書き上げるから凄い。

3日がタイムリミットです、と言い渡してあったので、ほんとうに3日の夜には原稿が届いていた。ところが、300字くらいもはみ出している。これも、文句の種なのだが、どうしてページ設定が出来ないの、と言いたい。

3日の夜は、その、はみ出しを削って貰うことから始まって、三回くらいの往復があった。最後の校正を受け取ったのは2時半くらいになったろうか。「おやすみなさい」とメールを入れてから、データー直しをした。

もう出勤したと思っていたのだが、フアックスを入れた時間にはまだ在宅だったようで、昼頃だったかコンビニでフアックスしました、というメールが入った。彼は出来上がって、とりあえず原稿を入れてから推敲するタイプだから何回送り返してもまた書き直してくる。もうこれでいいな、と思っていると、「今散歩中なのだが」といいながら、一語訂正のメールが来たことがあった。

やはり一日延ばしてよかった。結局、完成は夕方になっていた。プリントアウトもしてあるので、田中さんの原稿を挿入すれば完成という段取りの筈。ところがである。その土壇場になって黒のインク切れで印刷できない。インクが無くなりかけているサインが出ていたのにー。それでも、とりあえず、データーは印刷所に入れることが出来たが、なんとなく半端な達成感になった。

あすは早起きして黒のインクを買いにいかなければ。

テーマ俳句『円』・ににん誌掲載句

2008年3月4日 火曜日

以下を30号に掲載させていただきます。 

こがらしや円陣の声よくとほり         廣島屋
白白と浮きゐし冬の月円か           横浜風
あかぎれの手に五円玉紙芝居       石田義風
円相や冴え冴えとある冬の月       平田雄公子
円蓋に吹き溜まりたる落葉かな      大木 雪香
円周率に縁なき暮らし日記買ふ      たんぽぽ
冬の月円形劇場照らしけり          中村光声
寝転べば大円盤や春の空           中村光声
円卓に上座と下座春の月            夏海
くれよんのむすべる円や春の母        祥子
待ち合わせ闇夜の円タク鬼祭         小兵衛
豆まきの鬼の円い眼笑いけり        ミサゴン
方円に収まりきれぬ冬銀河         西方来人
とんがったつららの先の水円か       ミサゴン
雪積もる夜の一人の円舞曲         みどり
風花に楕円軌道の一度きり         隠岐灌木
観梅や四百円のカップ酒          森岡忠志
頑なに五円を投げて初詣           岩田勇
冬ぬくしプラネタリウム円天井       みどり
円周の一つの端に冬の富士            泰
梟啼く楕円の月の辺りかな         中村光声
円盤の時雨を切つて飛びにけり        ハジメ
山里のまるごと円く年明くる           遊起
射し込んで円の窓から春隣          西方来人
円卓に父は熱燗子は宿題             華子
雪かいてかいて円形広場とす           acacia
日向ぼこかごめかごめの小さき円       坂石佳音
初場所や円弧を描く土俵入り          半右衛門
鳰消えて冷たき円を残しけり           閑 魚
円き背を反り返しけり冬うらら           西方来人
子ら孫らそろへば円座大つごも           たか楊枝
音のみな円の内なる霜夜かな            shin
円錐の独楽に秘めたる力かな             祥子
ラガーらの円い雄叫び天を突く           阿愚林
円陣の真中に在りて初写真               蛙
恋心映すよ円の氷鏡                曇遊
年の瀬の夫婦円満障子張り           内藤紅葉
ゆびきりや注連縄飾り円なる           小 夜
円卓に手話はづむらし聖誕夜         たかはし水生
雪ん中蔓円形に手繰りよす           acacia
日溜まりの円き鏡や十二月           中村光声
円錐はサンタクロースピラミッド          徳子
凍星を映して円き水平線            中村光声
円卓をくるり回して忘年会             曇遊

春らしい

2008年3月3日 月曜日

このごろは、ガラス越しに眺める風景よりも、外で実際に体感する気温のほうがあたたかい。ガラス越しの風景だと、枯葉が風に揺れていて、なんだか寒そうなのである。それで、ついつい真冬の重ね着で出歩く羽目になる。綿入れのコートを引っ掛けて出たので、歩いていると汗ばんできた。

「ににん」30号の編集真っ最中。でも、途中で家を抜け出さないと、体が椅子の形に固まってしまいそうだから、散歩を兼ねて図書館まで歩いてくる。まだそのあたりの欅並木は枯木のまま。視覚の中ではまだまだ冬である。「ににん」は殆どの人がデーターで送ってくれる。文章の人もページもしっかりレイアウトしてくれるので、そのまま印刷所に送れる原稿が多い。私は、ページの割り振りと、遅れている人への催促が主な仕事。

「もー、三ヶ月に一度なんだから、早めに送ってー」と叫びたいところを、ニコニコしているのはストレスである。二十五日が締め切りなのだが、まだ届かない原稿がある。明日が最終期限。原稿がこないときの用意もしておく。明日、句会のあと、残れる人で初校がある。それからがまた一仕事。

データー修正をしなければならない。済ませたら、プリントアウトをしたものに、旧字やら作字の指示を書き込み、印刷やさんが見過ごさないようにポストエイトを貼っておく。それから、真夜中でもパソコンの中のデーターを印刷所に送ってしまう。いつ、このパソコンが壊れるやもしれないと思うと冷や冷やものである。とりあえず、それで、ほっとするけれど、大概は明け方になる。明日は、田中庸介さんの原稿が届くことになっているが、こちらで組んだものをフアックスで流して、校正をしてもらうというおまけがある。パソコンが好きでなかったら、やれないかもしれない。

俳句の個性

2008年3月2日 日曜日

俳句は短い形式なので似て非なるようなもの、違うようでも似ているものなど、たくさんある。差し当り単純化させて、十二文字が全く同じなら、それは類句、或は盗作としてもよいだろう。

ところが、そんな類句盗作はきりもなく発表されているのである。結社にいるときには、それは酷かった。私の句と同じような句が何度も他人作品として登場するのである。もちろん、たくさんの句をいちいち覚えていられないから、選者である主宰が判別出来ないのは仕方がない。こんな場合は作者がどんどん発言したほうがいいと思う。

しかし、結社の場合はいい。いつか淘汰されるかもしれないからである。だが、総合誌の場合は少し違う。何年か前のことだが、総合誌一月号に「青空の夜空となりし初日記」という作品を発表した。それから半年後の別の総合誌に季語だけ違って発表した人がいた。「青空の夜空となりし魂迎え」だった。それ程個性的な表現ではないから、「青空の夜空となりし」などは誰でも直ぐに思い浮かぶフレーズかもしれない。

それでも相手に伝えたほうが親切というものだとおもったので、親しい人に伝えてくれるように頼んでおいた。ところが伝わっていなかったのである。半年後にその俳人の句集が送られてきたら、そこにしっかり「青空の夜空となりし魂迎え」が登録されていた。半年くらいの差では、月日を経るとどちらが先なのか曖昧になってしまう。逆に自分の句が何処かで盗作のように思われるのも心外なので、今度は直接相手に伝えておいた。

相手も知っていたら句集から外したのに、ということだった。何でも人頼みはしないほうがいい。ところで、こんな類のことは後から後から起こっているだろう。自分もそんな類句類想句を作っているに違いない。そうして、俳句という分野が個性をなかなか発揮出来得ない分野なのだということを、しっかり認識していないと、恐ろしいことになりそうである。もちろん、今度の句集「嘘のやう、影のやう」には「青空の」の句は収録していない。

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