黒猫は炬燵の上の哲学者 半右衛門
太陽に黒点白魚に眼 塚本惠
黒猫のすり寄つて来し初詣 海音
闇という黒に抱かれ山眠る 西方来人
目覚めれば黒一本の冬の川 阿愚林
黒縁の中で微笑む梅の花 ミサゴン
黒揚羽ニライカナイよりおとづれる 土下信人
真つ新の黒帯つけて寒稽古 ハジメ
黒色の鉛筆が好き初日記 橋本幹夫
春風や黒き瞳に映る吾 土下信人
黒帯に気合を込めし寒稽古 横浜風
初句会ラッキーカラーは黒として さわこ
漆黒の闇懐かしや凍豆腐 たんぽぽ
モナリザの微笑黒衣の淑気かな 西方来人
黒板に「賀正」と書きし恩師逝く 橋本幹夫
黒猫の竈猫とはならず去る 祥子
成人の日の黒雲の行方かな 遊起
月山は臥した黒牛初茜 中村光声
黒皮の三年日記を買ひにけり 橋本幹夫
冬麗や瑞穂の国の大黒天 華子
黒服の列して御用納めかな 西方来人
黒髪にふわふわ纏う静電気 九
黒猫も白猫もみなねこじゃらし 土下信人
教会の黒く冷たい懺悔室 ミサゴン
那智黒を手土産に小春日和かな 廣島屋
葉牡丹に黒き目ひとつ欲しと思ふ じゅん
黒鍵に今朝の寒さを叩きけり 橋本幹夫
ほっぺたに石黒飴や猫柳 塚本 惠
暗黒に白き糸吐く蚕かな 隠岐灌木
黒蟻は地球を歩く冬篭り 土下信人
黒人のプレジデントか冬薔薇 こさぶ
黒板に校歌清書の卒業子 森岡忠志
黒豹の伸び切っている小春かな 岩田 勇
採血の赤黒き血や冬深し 新井大介
黒猫の目と目があって日向ぼこ ひろ子
白黒を言うて騒いで忘年会 半右衛門
暮早し黒雲に見紛う塒鳥 篠塚英子
北風や黒糖団子蒸かす音 祥子
余寒ありオセロゲームの白と黒 海音
はさまれて黒うらがへる漱石忌 廣島屋
冴ゆる夜は黒塚の鬼女哭くといふ たかはし水生
黒々と烏の朝食冬の道 内藤もみじ
黒豆を十粒食べて仕事初め acacia
乳母車黒い瞳に温まる 内藤紅葉
荻窪教室でお世話になっております「新井大介」です。先日投稿させていただいた私の句(採血の赤黒き血や冬深し)が「ににん」34号掲載していただけるようで、ありがとうございます。現在作者名が「荒井大介」となっておりますが、これは誤植(?)で、できれば掲載の際には正しく「新井大介」としていただきたく、よろしくお願いします。(今さら面倒なようであれば諦めますが...)
すみません。訂正いたします。赤の投句もどうぞ。
おはようございます。
中国 雲南の 土下信人です。
4句も 載せていただきありがとうございます。
そのことをからめて・・・
桑原武夫の「第二芸術」というのに ブログにちょっと書いています。
http://blog.livedoor.jp/touxia/archives/51151138.html
今後ともよろしく ご指導おねがいします。
「赤」は 情熱の色ですが・・・中国の色でもあります。
中国が どこまで詠めるのかな。
土下信人
土下信人さま
長文のぶろぐ拝見させていただきました。第二芸術論が読む度に心に響くのは、俳句と定義のすべて、俳句の内包する矛盾のすべてが、その中に詰まっているからだとおもいます。
それにしても、暖かなところにお住いですね。
鎌倉のこさぶです。初めて投句した私の句を掲載していただいてありがとうございます。励みになります。鎌倉吟行の際はご案内いたしますので、お申し付けください。
鎌倉はよくいきます。「ににん」の仲間で、また行きたいとおもいます。