テーマ俳句『円』・ににん誌掲載句

以下を30号に掲載させていただきます。 

こがらしや円陣の声よくとほり         廣島屋
白白と浮きゐし冬の月円か           横浜風
あかぎれの手に五円玉紙芝居       石田義風
円相や冴え冴えとある冬の月       平田雄公子
円蓋に吹き溜まりたる落葉かな      大木 雪香
円周率に縁なき暮らし日記買ふ      たんぽぽ
冬の月円形劇場照らしけり          中村光声
寝転べば大円盤や春の空           中村光声
円卓に上座と下座春の月            夏海
くれよんのむすべる円や春の母        祥子
待ち合わせ闇夜の円タク鬼祭         小兵衛
豆まきの鬼の円い眼笑いけり        ミサゴン
方円に収まりきれぬ冬銀河         西方来人
とんがったつららの先の水円か       ミサゴン
雪積もる夜の一人の円舞曲         みどり
風花に楕円軌道の一度きり         隠岐灌木
観梅や四百円のカップ酒          森岡忠志
頑なに五円を投げて初詣           岩田勇
冬ぬくしプラネタリウム円天井       みどり
円周の一つの端に冬の富士            泰
梟啼く楕円の月の辺りかな         中村光声
円盤の時雨を切つて飛びにけり        ハジメ
山里のまるごと円く年明くる           遊起
射し込んで円の窓から春隣          西方来人
円卓に父は熱燗子は宿題             華子
雪かいてかいて円形広場とす           acacia
日向ぼこかごめかごめの小さき円       坂石佳音
初場所や円弧を描く土俵入り          半右衛門
鳰消えて冷たき円を残しけり           閑 魚
円き背を反り返しけり冬うらら           西方来人
子ら孫らそろへば円座大つごも           たか楊枝
音のみな円の内なる霜夜かな            shin
円錐の独楽に秘めたる力かな             祥子
ラガーらの円い雄叫び天を突く           阿愚林
円陣の真中に在りて初写真               蛙
恋心映すよ円の氷鏡                曇遊
年の瀬の夫婦円満障子張り           内藤紅葉
ゆびきりや注連縄飾り円なる           小 夜
円卓に手話はづむらし聖誕夜         たかはし水生
雪ん中蔓円形に手繰りよす           acacia
日溜まりの円き鏡や十二月           中村光声
円錐はサンタクロースピラミッド          徳子
凍星を映して円き水平線            中村光声
円卓をくるり回して忘年会             曇遊

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  1. じあん より:

    円卓に上座と下座春の月            夏海
    鳰消えて冷たき円を残しけり           閑 魚
    円卓に手話はづむらし聖誕夜     たかはし水生
    雪ん中蔓円形に手繰りよす         acacia

    題で作ると、思いがけない句が出来るんですよねー。どれも面白かったです。

  2. 言葉から発想というと、邪道と思う人もあるのですが、その言葉で心の中の風景を思い出し、引き出してくることが、よくあります。そんなに日常を見つめてからと言っても、感動することはありませんものね。わたしは、虚実皮膜はむしろ、こうした場で出来ることが多いです。

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