歳時記異聞

榎本好宏著『季語の来歴』 平凡社刊
「諸説楽しき歳時記異聞」と副題があり、季語成立の背景を示して俳諧の深奥に導くとともに、古きよき日本の暮らしぶりを伝える〈ものがたり歳時記〉と、帯に書き込まれている。
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以上のような、魅力的な言葉によって思わず手にとってみたくなる本である。目次は大きく分けて春夏秋冬と雑に分かれて、最初の項目は「たかが凧、されど‥‥‥」とある。ものがたり歳時記と帯にあるのが直ぐに頷けるのは凧の項目だけで四頁の文章が付されているからである。そのほかにも、初午と稲荷・灸好きと「二日灸」・桃の節句の周辺・、などとすべて一つの季語にしては長文の解説がある。このあたりにも榎本さんらしい綿密さを感じる。

例えば「桃の節句の周辺」などは、ひな祭りから入って、全国の主な雛まつり行事を網羅している。そこまでは想像できるのだが、そこから、「曲水の宴」・「磯遊び」・「野遊び」「踏青」などへ繋げて進んでいくと、興味がさらに広がっていく。

そうした項目が並んでいるだけでは、季語の数はそんなにないのではないかと思ってしまうが、巻末に付した「季節の言葉」の索引には膨大な季語がならんでいることに、ふたたび驚いてしまう。それほど、一つの季語からの派生があるとも言える。あらためて、『ものがたり歳時記』と名付けたことを納得しながら、遠い旅から戻ったような気分にさせられる一書である。

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