今までの兼題

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本棚・書庫
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第57回坩堝第58回位置第59回青森第60回模様
第61回王様第62回四角第63回半島第64回懸垂
第65回全身第66回回転第67回珈琲第68回反対
第69回夫・妻第70回隣人第71回危険第72回書類
第73回眼鏡第74回午前・午後第75回人形第76回世界
第77回仲間第78回教室第79回椅子第80回阿吽
第81回土地第82回煙突第83回 第84回 
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木枯らしやプレスリー聞く午前二時中﨑啓祐
レコードの傷音硬し雪の午後中﨑啓祐
呼出音規則正しく雪の午後中﨑啓祐
鞦韆の揺れるともなし雨の午後中﨑啓祐
午後の雪カレーライスの白い皿中﨑啓祐
綿虫のふはりとよぎる午後の沼中島外男
雪催ひ午前も午後も居眠りを中島外男
日脚伸ぶ午後はのんびり骨董市中島外男
蠟梅や午後の茶店に老いふたり中島外男
午後からは雨になりけり寒の雨中島外男
午後の日の翳りて冬のはなわらび中田千惠子
淡雪の午後の眠りに積もりけり中田千惠子
風音を映せる午後の春障子中田千惠子
家事万端済ませし午後の桜かな中田千惠子
新古今和歌集桜ちる午後の中田千惠子
早春の電車のめぐる午前午後服部さやか
春著きて集へり午後の蔵通り服部さやか
花冷やあくびばかりの午後となり服部さやか
鞦韆や午後は誰にも誘はれず服部さやか
スキー靴脱いでしまひし午後のお茶服部さやか
せはしなき午前の隙間蛇出づる浜岡紀子
白木蓮午前の空を際立たす浜岡紀子
さへづりのひつきりなしの午前午後浜岡紀子
午後の日を入れてにぎはふ蝌蚪の池浜岡紀子
夜を待つ午後のをはりの沈丁花浜岡紀子
エアメール午後に届くと亀鳴けり平林佳子
クロッカス午後は休診致します平林佳子
午前二時房総まさかの雪景色平林佳子
藪柑子アールグレイの午後三時平林佳子
雪の匂ひきつと午後から舞ふだらう平林佳子
坂の街午後の日差しに風花す牧野洋子
冬菫午前も午後も赤子抱く牧野洋子
初雀午前十時の陽を蹴つて牧野洋子
午後の陽に涙顔なる雪だるま牧野洋子
午後の陽よ届け青木の実のいくつ牧野洋子
墨の香や午前の卓の祝ひ箸三島やよい
元日の午後の主はしどけなく三島やよい
小寒や午前むさぼる朝寝かな三島やよい
年越えて月新しき午後の天三島やよい
凍空に透きとほる月午後三時三島やよい
午後の日を集めて庭の寒雀宮本郁江
午後に着く離島の春の郵便船宮本郁江
木漏れ日や午後は昼寝の保育園宮本郁江
雛納め午後より風の強かりし宮本郁江
午前から家族総出で若布刈る宮本郁江
午前午後春を見つけに小川へと村瀬八千代
雲雀野や雲の流るる午後三時村瀬八千代
教室の午後はからつぽチューリップ村瀬八千代
春光や午前も午後も滑り台村瀬八千代
午後五時のバスが最終山桜村瀬八千代
年用意午後休診の診療所山下添子
午後からはみなよく回る風車山下添子
約束の午後へ無音の春の雪山下添子
かたつむり午前も午後も同じ葉に山下添子
コスモスの風に抗ふ午前午後山下添子
凍返りアイドリングなほ午前九時山本乃生子
いさかひてマスカラを塗る冬の午後山本乃生子
梅開き午後の診察始まりぬ山本乃生子
桜固しワクチンの午後とぼとぼと山本乃生子
歓声の運動場ひこばゆる午後山本乃生子
山茶花の散りをり午前から午後へ和智安江
氷面鏡午前の影はくつきりと和智安江
午後からは雪解雫の賑はひぬ和智安江
藪椿ぽとりと落ちて午後深し和智安江
金盞花輝く午後の花時計和智安江
午前午後椿は散らず夜を待つ浅見 百
春炬燵午前も午後も区別なく浅見 百
大根は凍土に生きて午前午後浅見 百
すきま風午前も午後もホットレモン浅見 百
風邪薬午前も午後も咳込んで浅見 百
新年の午前零時の母の声安達英子
駅伝や午前八時の山下り安達英子
笑む孫の午後の紅茶や大試験安達英子
午前十時スマートホンに桜咲く安達英子
恋猫の背をぬらすや午後の雨安達英子
午後の雪しづかに降つて春はじめ新井大介
まつ白く午前も午後も雪のこる新井大介
人類の午後となりけり水温む新井大介
クロッカスの一本折れて午後の雨新井大介
しばらくは桜蕊降り午後深し新井大介
お節にもそろそろ飽きて午前午後五十嵐孝子
寒月にしばし歩をとめ午後六時五十嵐孝子
寒椿午後には開く気配して五十嵐孝子
春愁や午前三時のアールグレイ五十嵐孝子
春浅し訃報のメール午後六時五十嵐孝子
午前十時は紅茶の時間囀れり今泉房江
図書館の午後の静寂や目借時今泉房江
午後五時の空に流るる春の小川今泉房江
吟行の午後は句会や白魚飯今泉房江
山茱萸の花輝かす午前の陽今泉房江
鳴く位置のあり笹鳴きの午前午後岩淵喜代子
午後といふ冬日の熱き日なりけり岩淵喜代子
寒林に午後は溜まりし日の匂ひ岩淵喜代子
紅梅を愛でて白梅探す午後岩淵喜代子
あたたかし松ぼつくりに屈む午後岩淵喜代子
笹鳴きの下枝に午後の日差しかな宇陀草子
午前午後バス一便の探梅行宇陀草子
午後からは相手が替はる猫の恋宇陀草子
山畑に午後も麦踏む宇陀人は宇陀草子
山笑ふ午後満席のカフェ・テラス宇陀草子
冬ぬくし縁にまどろむ午後三時及川希子
炬燵中午後の紅茶ラッパ飲み及川希子
去年今年午後の散歩は二人連れ及川希子
午前中並ぶ覚悟で福袋及川希子
日脚伸ぶ午前も午後も夫散歩及川希子
烏頭坂越えて午前となる氷雨岡本惠子
早春の午後パレットの青絵具岡本惠子
山賊は聖者に永き日は午後に岡本惠子
台所の茎立があり午前午後岡本惠子
かたかごや湖畔の午後の泥濘に岡本惠子
自販機より午後の紅茶や寒茜尾崎淳子
午後の陽を集め白鳥帰りゆく尾崎淳子
午後の便欠航となる梅の島尾崎淳子
臘梅の午後より風の涌き出づる尾崎淳子
午前午後睡りとほして花馬酔木尾崎淳子
近づけばたつた五輪の梅二月小田裕子
声さみし留守電の友春よ来よ小田裕子
裏通りバケツの青さ光る春小田裕子
春近しひかりが見えし茨の中小田裕子
涙せし映画のラスト春ひとり小田裕子
春時雨午前も午後も大渋滞鬼武孝江
新暦の午後片付けし古い雛鬼武孝江
午前には全て終はりの春の雪鬼武孝江
明日の午後卒業式の予行あり鬼武孝江
春愁や甘味の欲しい午後三時鬼武孝江
炬燵より午後の準備を言ひつかる河邉幸行子
新雪を踏み固め待つ午後の便河邉幸行子
鷽替への午後の約束朱書にす河邉幸行子
白菜を一つ抱へて午後の客河邉幸行子
雨具着て午後の根分けに手間取れり河邉幸行子
午前から午後へ踏み出す冬木の芽川村研治
沈丁の蕾ぞくぞく午後の黙川村研治
目をそらす方へ浮雲春の午後川村研治
羽を広げてきさらぎの午後の雲川村研治
梅林のゆるき傾斜や午後の鬱川村研治
一文字も書けぬ師走の午前四時木佐梨乃
のどけさは午前と午後の汽水域木佐梨乃
雪窓に魔法を宿す午前二時木佐梨乃
春眠し午後の長さの旅路かな木佐梨乃
おでん煮る小腹の衝動午前二時木佐梨乃
寒明の午前きつつき控へ目に木津直人
午前午後まだ鶯は身をかくし木津直人
春山の午前は雪の匂ひのみ木津直人
詩誌「午前」実らぬままにこのたんぽぽ木津直人
火事跡の午前に水菜さげてゆく木津直人
カウンセル午後の予約や冬に入る栗原良子
午後はもう物語する冬の街栗原良子
午後となる午前配達地吹雪や栗原良子
布団潜る午後の背徳ひとねむり一睡栗原良子
春まぢか午前十時の待ちあはせ栗原良子
春の雲午後は居場所を忘れゐる兄部千達
午前午後秋霖聞き本を読む兄部千達
春の風午前の気ままな散歩かな兄部千達
雨柳生き生き揺らぎ午前中兄部千達
舞ふ雪や一つ一つに意思のあり兄部千達
午後三時栗羊羹を等分に小塩正子
雪止まずただひたすらに午前午後小塩正子
目借時午後の授業は自習なり小塩正子
本当に午後に止むのか春嵐小塩正子
午前午後猫とひねもす日向ぼこ小塩正子
午前午後晴れて消え行く軒氷柱西方来人
回覧板どんどん焼きは午後二時と西方来人
公魚釣り午後から荒れて温泉へ西方来人
午後の日に雪中キャベツ掘りにけり西方来人
雪晴れの午前輝く鹿島槍西方来人
数へ日や午後の日差しに読む新聞佐々木靖子
大年の午後の日差しの翳りけり佐々木靖子
孫ふえて集ふや午後の白障子佐々木靖子
正月や午後のマルシェの人まばら佐々木靖子
大雪警報午前零時の時報鳴る佐々木靖子
梟と微熱の午後を共有す島 雅子
午後からはただ眠たくて枇杷の花島 雅子
傾けて午後の光に紙を漉く島 雅子
浜は午後吹かれて開く冬の雲島 雅子
沈丁花いつもの黒猫通る午後島 雅子
春雨にうたた寝少し午後午前志村万香
ぼうぜんと午後の気だるさ春を知る志村万香
猫の鼻午後の紅茶に春うらら志村万香
春風も心許なき午後三時志村万香
梅しだれ午後の時知る我の道志村万香
午前五時寒さに背中噛まれゐる新沢しんこ
霜柱うかと踏み来る午前様 新沢しんこ
淡雪舞ふ午後が午前に変はる刻新沢しんこ
午後からは雪解雫のせはしなく新沢しんこ
無為といふ贅に身を置く春の午後新沢しんこ
冬の午後むらさきの雲が浮いてゐた末永朱胤
サイレンの聞こえし午後の寒牡丹末永朱胤
冬の午後ふたたび影を持つ薔薇末永朱胤
午後二時の月透き通る冬の果末永朱胤
晩冬の暗渠ささやく午前かな末永朱胤
玄冬や午後待つための午前かな鈴木統子
紅茶切らし午後持て余す冬の雨鈴木統子
冬林檎午前の光の鋭きこと鈴木統子
冬林檎の午前の光の下で切る鈴木統子
午後四時に小腹の空くや春近し鈴木統子
寒椿午前と午後に隙間なく高橋寛治
侘助や午後の光りのすぼむ頃高橋寛治
初雀午後の日差しとこぼれけり高橋寛治
雪吊の大小ありて午前午後高橋寛治
寒椿午前に落ちて午後に落つ高橋寛治
冬の馬午前のひかり駆け抜けて武井伸子
枯木立午前も午後も立ち尽くす武井伸子
春の霜午前の土間に押しよせる 武井伸子
梅ケ枝に鳥入れ替はる午後なりき 武井伸子
午前中桜ふぶきに襲はるる武井伸子
音もなく午後の雪雲豆を煮る田中美佐子
柊の花散る母の午前午後田中美佐子
山茶花を掃き寄せ午後の永さかな田中美佐子
長椅子に日差しや午後の紅椿田中美佐子
水仙の午後の閑かさ雲低し田中美佐子
柱時計の重おもしき午後しづり雪谷原恵理子
デジタルの午前は無為に鳥帰る谷原恵理子
人に打たれて午後春雨に歩くかな谷原恵理子
日脚伸ぶ午後の半月川に落ち谷原恵理子
淋しがりの白鳥の声午後の雨谷原恵理子
鈴振つて春を待ちゐる午後の貌近本セツ子
午前午後日のちらちらと笹子かな近本セツ子
綿虫の意外に飛んで午後のこと近本セツ子
ひよどり来午前も午後も肥後椿近本セツ子
午後晴れて火伏せの杜の薄氷近本セツ子
義母見舞ふ土曜の午後の福寿草千葉 隆
屋根裏の午前三時の嫁が君千葉 隆
寒稽古あかぎれ痛む午前五時千葉 隆
午前零時父母に挨拶去年今年千葉 隆
春の午後陽射しの中の露天風呂千葉 隆
早春の陽射しあふるる居間午前同前悠久子
午前九時恋猫チーコ現るる同前悠久子
「カムカム」と十五分過す春の午後同前悠久子
午後四時に予約よ二月の美容院同前悠久子
午後八時オリンピックの春の雪同前悠久子
初鴉平常通り午前五時豊田静世
午後発やリラの並木の街めぐり豊田静世
午前・午後猫移りをる日向ぼこ豊田静世
午前をり午後にはをらぬ蝸牛豊田静世
夏山の御来光かな午前四時豊田静世