今までの兼題

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本棚・書庫
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第57回坩堝第58回位置第59回青森第60回模様
第61回王様第62回四角第63回半島第64回懸垂
第65回全身第66回回転第67回珈琲第68回反対
第69回夫・妻第70回隣人第71回危険第72回書類
第73回眼鏡第74回午前・午後第75回人形第76回世界
第77回仲間第78回教室第79回椅子第80回阿吽
第81回土地第82回煙突第83回 第84回 
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書類をも楽しく見しは入園式同前悠久子
契約の書類でスタートせし五月同前悠久子
書類すらパソコン内の虹となり同前悠久子
あの二月申告書類打ちしこと同前悠久子
卓上に書類積み上ぐ晩夏かな同前悠久子
積まれたる書類はまんま夏五輪豊田静世
書類より記憶たしかな敗戦の日豊田静世
古書類に米国通帳紙魚走る豊田静世
「重要」の文字の書類の曝書かな豊田静世
蚊遣香の残る書類やテレワーク豊田静世
秋暑し入国書類握りしめ中﨑啓祐
夏めくや紙飛行機に折る書類中﨑啓祐
蹴つ飛ばせ書類審査と日向水中﨑啓祐
八重葎鉄庫に朽ちる書類束中﨑啓祐
秋桜書類を焼いて村を出る中﨑啓祐
梅雨深し書類つぎつぎシュレッダーに中島外男
鉢植ゑのサボテンの花書類の上中島外男
百日紅書類めくれば家族写真中島外男
黴臭き書類鞄を処分できず中島外男
籐寝椅子書類片手にEメール中島外男
小鳥来る書類審査を通過して中田千惠子
稲妻や書類の奥へ奥へ道中田千惠子
星月夜書類の文字が風に飛び中田千惠子
A4の書類の上の青林檎中田千惠子
コピー百枚書類の裏は秋日和中田千惠子
冷やかやのり弁だらけの公文書抜井百合子
書類箱避暑地で貰つた押花を抜井百合子
爽やかや書類は全てタブレット抜井百合子
書類なき机上の広さ秋の風抜井百合子
社長室に書類の山積み今朝の秋抜井百合子
みみず鳴く書類審査を落ちこぼれ浜岡紀子
秋風や介護書類の三文判浜岡紀子
書類よりつと眼を離すいわし雲浜岡紀子
文化の日ほこりまみれの書類棚浜岡紀子
消失の数多の書類からすうり浜岡紀子
書類棚に紙魚一族の増殖中浜田はるみ
心鎮めて申請書類夜の秋浜田はるみ
初秋のブルーインクの書類かな浜田はるみ
文机の書類をめくる秋の風浜田はるみ
政変や重要書類焼く暖炉浜田はるみ
病む夫チャーガ書類手繰り寄せ深澤文子
拾ひ物書類届けて栗拾ひ深澤文子
社長室書類提出秋刀魚かな深澤文子
秋深し風のいたづら書類舞ふ 深澤文子
入院の必要書類夜長かな深澤文子
萍や書類一枚見つからず牧野洋子
夜の秋書類整理と刺繍もし牧野洋子
カンナの朱見えて書類を届けし家牧野洋子
揚花火書類広げしままにして牧野洋子
探してた書類の上の昼の虫牧野洋子
膨大な英字の書類終戦日三島やよい
原爆忌書類の数字に名前在り三島やよい
刷り上げて書類の角に大西日三島やよい
炎帝や木簡の書類墨の跡三島やよい
朗報の書類に降りし花一片三島やよい
片蔭や書類鞄を持ち替へる宮本郁江
交番に届く書類や今朝の秋宮本郁江
ゑ込みの中に書類や虫の声宮本郁江
蜩や父の残せし書類箱宮本郁江
立秋の校長室に書類棚宮本郁江
書類には縁なき暮らし花木槿村瀬八千代
年金の書類見直す葉鶏頭村瀬八千代
書類閉づ拡大鏡と虫時雨村瀬八千代
家直す書類に印を法師蝉村瀬八千代
もう要らぬ書類ばかりや天高し村瀬八千代
金縷梅や書類にハンコ押す覚悟山下添子
柿の花書類審査の楷書文字山下添子
とりあへず書類をもらふ芭蕉の忌山下添子
鍵かけて書類眠るや竜の玉山下添子
書類の字滲む眼中ひめつばき山下添子
しわくちやな書類残りて鳥帰る和智安江
入院の書類に署名夏の果和智安江
知らぬ間に書類散らばり秋の風和智安江
身にしむや書類箱から妣の文和智安江
そぞろ寒書類読むのはもう飽きた和智安江
書類箱祖父の筆くせなめくぢり浅見 百
秋暑し書類さがして生あくび浅見 百
書類箱古い紙幣に紙魚ついて浅見 百
目まとひや重要書類発見す浅見 百
申請の書類不足や秋暑し浅見 百
合格の書類を胸に目白坂安達英子
猫譲渡書類で落ちて昼寝かな安達英子
帰省子の万年筆でかく書類安達英子
ストーマの書類の写真夏衣安達英子
父残す書類をくべる秋彼岸安達英子
梅雨深しラジオの上に載る書類あべあつこ
書類とは無縁の暮しハンモックあべあつこ
霧及ぶ光太郎小屋の書類にもあべあつこ
いつからの書類の山や黒揚羽あべあつこ
ビアガーデンてんでに書類鞄提げあべあつこ
八月の書類の角の折れてをり新井大介
秋の夜の書類黄ばんで積んである新井大介
持返る書類ととのへ秋彼岸新井大介
行秋や昔の書類読み返す新井大介
横文字の書類に署名秋深し新井大介
三尺寝バサリと音たて書類束五十嵐孝子
鰯雲書類シュレッダーし閉店す五十嵐孝子
星月夜書類は無くてテレワーク五十嵐孝子
秋時雨不要の書類破り捨て五十嵐孝子
変色の書類厭きずに秋時雨五十嵐孝子
三尺寝書類鞄を枕にし今泉房枝
身に入むや父の形見の書類箱今泉房枝
預かりし書類紛失鵙高音今泉房枝
長き夜の書類整理のきりもなや今泉房枝
書類鞄猿が持ち逃げ芋嵐今泉房枝
箱庭を眺めて書類の持ち重り岩淵喜代子
書類箱重ねて寄せて心太岩淵喜代子
梔子や書類正しく重ねけり岩淵喜代子
書類からはみ出す付箋色鳥来岩淵喜代子
書類いま羽の軽さや青嵐岩淵喜代子
ビル灼けて嵌め殺窓書類守る歌代美遥
フロントの書類代表し秋の旅歌代美遥
書類書き終え野分だつ神田川歌代美遥
ワクチンの書類整ふあつぱつぱ歌代美遥
コロナ禍や書類届けるだけの婚歌代美遥
冷房車書類袋の忘れ物宇陀草子
ソーダ水書類の不備を指摘さる宇陀草子
返却の書類に付箋蟬時雨宇陀草子
出生も死亡も書類冷奴宇陀草子
火取虫稟議進まぬ書類かな宇陀草子
六月や接種書類の封開く及川希子
葛が原投棄書類を隠す程及川希子
夏休み書類チェックは赤ペンで及川希子
風入れる書類吹き飛ぶ夫の部屋及川希子
夏の宵書類のみ込むシュレッダー及川希子
蝉時雨未決既決の書類箱岡本惠子
百合匂ふ渡欧書類のカリグラフィー岡本惠子
書類鞄何処かに忘れ二重虹岡本惠子
島からの転出書類草の市岡本惠子
爽籟やカ行サ行の書類棚岡本惠子
書類鞄下げて夕立を歩みけり尾崎淳子
星の夜のメロン書類を汚しけり尾崎淳子
書類棚に挟まつてゐる秋夕日尾崎淳子
添付書類開けずにゐて夕野分尾崎淳子
書類封筒秋風と地図入れて尾崎淳子
秋の夜遺産の書類父し小田裕子
市役所の書類手続き慣れて秋小田裕子
ふと紙上書類選考孫想ふ小田裕子
新学期の厚き書類や秋暑し小田裕子
送られし書類どつさり今朝の秋小田裕子
卓上の書類をめくる秋の風鬼武孝江
秋霖や山積みの書類放置して鬼武孝江
うたた寝し書類そのまま長き夜鬼武孝江
捨て難い書類を捨てて曼珠沙華鬼武孝江
この書類十年保管秋の空鬼武孝江
日盛りを行く青年の書類の荷河邉幸行子
必要な書類まぎれて夜の秋河邉幸行子
判読の苦手な書類明け易し河邉幸行子
余裕なき日付の書類守宮鳴く河邉幸行子
週明けの書類かさばる晩夏光河邉幸行子
書類より死者の声する夜の秋川村研治
堆き書類ぬけだす蠅虎川村研治
書類よりはらと落ちたる蛇の衣川村研治
夏行くや沼のやうなる書類棚川村研治
天の川人は書類に縛られて川村研治
スコールを過ぎて入籍書類かな木佐梨乃
煩雑な書類を放り冷さうめん木佐梨乃
実ざくろや雑然とした書類入れ木佐梨乃
甘藷割る電子書類に電子印木佐梨乃
旧臘の書類は何処と手に文庫木佐梨乃
朝顔や書類の消える会議室木津直人
書類白く流燈すでに闇の中木津直人
秋桜も書類も風を待ちつづけ木津直人
鳩笛を鳴らせぬ人の書類箱木津直人
芒原ぬけて書類を教室へ木津直人
「書類で欲し」 メール着信夏夜明栗原良子
未記入の書類一枚炎暑かな栗原良子
老体に書類の過量夏の果て栗原良子
父亡きや書類の行李閉ぢて秋栗原良子
机上には書類を積んで夜長し栗原良子
そぞろ寒介護の書類整はず兄部千達
蟋蟀は書類の上を滑りをり兄部千達
薄荷の花書類に挟む長き旅兄部千達
十月は風音聞く書類審査兄部千達
露湿り書類送検されてをり兄部千達
霞みたる書類の文字や目借時小塩正子
昼寝覚書類の隅の読めぬ文字小塩正子
秋冷や書類の山に触れし時小塩正子
初嵐書類誤送と孫の声小塩正子
推敲を重ねし書類初仕事小塩正子
切断の書類が正規酷暑かな西方来人
引継ぎの書類の整理星月夜西方来人
書類散逸床を這ふ夏の昼西方来人
夜業して労災書類作りけり西方来人
書類から告白の文秋の夜西方来人
やうやくに書類揃ひて胡瓜もみ佐々木靖子
蔵涼し母の探してゐた書類佐々木靖子
涼風や鎌倉彫りの書類箱佐々木靖子
火の中に放る書類や敗戦日佐々木靖子
五月闇書類の有無で決まること佐々木靖子
とりあへずは書類に挟むえごの花島 雅子
羽蟻の夜夫の代はりに書く書類島 雅子
書類みなシュレッダーへと巴里祭島 雅子
ブリーフケースに嘘と書類とハンカチを島 雅子
難病指定認定書類と秋を待つ島 雅子
ほとばしる書類の重さ汗の玉志村万香
遺言の書類の整理夏の影志村万香
夏祭り後の書類も気にかかり志村万香
照り陰る書類審査汗の玉志村万香
向日葵の花びらひとつ書類おく志村万香
ゴキブリを書類丸めて叩きけり新沢しんこ
夕虹に放つと書類鳩になる新沢しんこ
飛機形に書類を折りて夏空へ新沢しんこ
書類上の辻褄合へば籐寝椅子新沢しんこ
紙書類なくなる未来へソーダ水新沢しんこ
梅雨晴間どの書類にも日付あり末永朱胤
我が名置く形代といふ書類かな末永朱胤
夏を閉づ書類に一つ名を記し末永朱胤
書類の名八月九日の一人末永朱胤
一枚の書類に秋と署名せり末永朱胤
夏の日を書類でさえぎるネイルの手鈴木統子
青嵐書類ども床を占拠せり鈴木統子
夜ぞ長し書類の裏に書いた顔鈴木統子
昼寝覚書類の世界へ戻るなり鈴木統子
秋隣書類は黄ばみ吾眠し鈴木統子
蝉時雨書類黄ばみて過不足なし高橋寛治
蝉時雨書類捜して果てし午後高橋寛治
熱帯夜添付書類の馬鹿らしさ高橋寛治
大西日孔雀書類を踏み散らす高橋寛治
分類を拒む書類や西瓜食ふ高橋寛治
書類鞄提げて祭に迷ひこむ武井伸子
むき出しの書類抱へて夏館武井伸子
積まれたる書類に溜りゆく西日武井伸子
二三枚書類飛びゆく野分かな武井伸子
書類鞄置き去りにして踊りけり武井伸子
風呂敷の書類ずしりと夜の雷田中美佐子
四つ葉のクローバー書類の束に痩せて田中美佐子
天の川かさりと父の書類ファイル田中美佐子
ががんぼの足に書類の傾ける田中美佐子
シュレッダーにかけられ真夏日の書類田中美佐子
退職書類揃へ秋色スニーカー谷原恵理子
書類みなモノクロームに雁渡る谷原恵理子
斎宮の書類に秋の歌合せ谷原恵理子
かなしさが宿る萩にも書類にも谷原恵理子
淡々と片づく書類新豆腐谷原恵理子
蟻の道開きしままの書類かな近本セツ子
蓮は実にファイルに祝賀の日の書類近本セツ子
届きたる書類稲妻とほき夜近本セツ子
二階より書類探しに夜の秋近本セツ子
しんしんと月の出の刻書類繰る近本セツ子
書類鞄三日の別れ盆帰省千葉隆
六月や書類一つで結ぶ縁千葉隆
夏帽子書類で埋まる吾が机千葉隆
秋深しマル秘書類をシュレッダー千葉隆
商談の書類を忘れる酷暑かな千葉隆