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方円の器重ねて年暮れぬ     三千夫

★昔ながらの勝手風景であれば重箱や屠蘇の器、漆の塗椀等々、身近な想像もあろう。しかしながら掲句方円の器にはそれなりの越し方が詰まっている重みを感じるのである。この一年だけではなく、重ねての言葉が、歳月を深くしている。(恵子)

ボーナスやバランス悪き円グラフ    大木 雪香

★バランス悪きとは日頃の生活費を円グラフにして眺め、食費の割合が高いのでそう思ったのでしょう。生計費中に占める食費の割合をエンゲル係数という。この係数が高いほど生活水準が低いそうである。この句の場合、ボーナスで補うことができて幸せである。近頃は年間契約でボーナスもでない環境で働くことが多いようである。まして、年金で暮らす人たちにはボーナスは無縁である。ボーナスを貰えるうちが人生の華でもある。(禎子)

円ひとつ太く大きな年賀状     半右衛門

★いよいよ師走も半ばとなり、ただでさえ忙しいのに、年賀状も書かなくてはならないとますますあわただしさがつのります。いただいた年賀状に円を墨で太く書かれたものがあったのでしょう。円相は禅では悟りの象徴として書かれます。年賀状ひとつにもこんな心穏やかな境地があることに気づき、忙しさに心をなくしていた自分を思わずかえりみたことでした。(千晶)

崩れおる円墳小径冬ざるる     西方来人

★古墳にも大小がある。埼玉県行田には大きな古墳が幾つもあって有名だが、掲出の古墳は多分それほど大きくも無く、保護もされていないのではないだろうか。古墳なのか、塚なのかも判別できないまま、いつの間にか消滅してしまうこともある。夏の間は草木が地を覆って、その崩れも見えないのだが、冬ざれになると容赦なくその崩れが顕わになる。その崩れた古墳にも小径にも冬日がいっぱい溢れているのだろう。(喜代子)


予選句

初雪やアポロニオスの円描く曇遊
木枯らしや古老の背を円く吹き西方来人
時雨るや荒川の面に一円相三千夫
脱毛の円形となる十二月半右衛門
冬星座円周率の無限かな半右衛門
円で買うガソリン高し年の暮れ西方来人
久方の雪一円に十方に三千夫
冬の日や円空仏照らしをり西方来人