ぶつかつて音の生まるる春の水   嶌田岳人

春は季節の気配にことさら耳を傾けるときかもしれない。寒さに凍えていた体が訪れてくる春への気配を自ずと探っているからだ。(ぶつかつて音の生るる)は、ともすれば見過ごしてしまいそうな、さりげない措辞である。しかし、次の(春)の季題によって俄かに雪解水などの活気ある水音が蘇る。

嶌田岳人第一句集『メランジュ』2015年 東京四季出版   序  河内静魚  跋 深沢暁子

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