山本洋子第六句集『夏木』 2011年 ふらんす堂

じゃがいもが咲いてにはとりよく啼いて
敦賀より北に用ある時雨かな
銀杏散るところで母の待つてをり
室生寺へ行くかと問はれ春の風
海外といふ大いなる春の闇
ライラック咲いて机の塵を拭く
海見ゆるところまで麦踏んでゆく
灯の点いてからも椿の落ちること

関西の地名そのものが季題のように、実によく句のなかで生かされている。地名が匂いだすような懐かしさを抱かせる。

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