岩淵喜代子著『二冊の「鹿火屋」』 原石鼎の憧憬

2015年5月号「かびれ」 透徹なる詩魂

筆者・岡久子

岩淵喜代子著『二冊の「鹿火屋」』 原石鼎の憧憬(邑書林2014年10月発行)

昭和一六、 一七年に原石鼎だけのために発行された二冊 の「鹿火屋」が存在しており、その二冊が作者の手に入っ たことで、前著『頂上の石鼎』では触れなかった、石鼎の 生涯の不明な時代の真実に迫ろうとする、作者の気迫が伝 わってくる。 一般配布の「鹿火屋」との違いを比較o検証する中で、石鼎に内在する神の世界、関東大震災以来の極度の恐怖症から発する精神の病、戦争直前の言論への圧力などが浮き彫りにされ、大変興味深い。同書は平成二六年度の第二九回俳人協会評論賞受賞。 昭和一一年生まれつ昭和五一年「鹿火屋」入会。のち「貂」創刊同人。平成一二年同人誌「ににん」創刊代表。

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