2014年12月6日 のアーカイブ

紅白に別れて鰯雲を見る   山崎十生

2014年12月6日 土曜日

紅白に別れたのは運動会のような風景なのだろう。どちらにしても、紅白は戦い合う群れ同志なのだ。それが(鰯雲を見る)のことばによって日常が非日常に暗転してしてしまう。この暗転こそが俳である。

そういえば、この一句が収録されているのは『自句自戒』というタイトルの一書である。一瞬よくある自句自解の著書だと思ったが、そうではなかった。百句すべてを神野紗綺氏が鑑賞している。このタイトルの付し方にも、十生氏の言語感覚の秘密を垣間見ることができる。

(山崎十生セレクト100『自句自戒』鑑賞 神野紗綺  2014年  破殻出版)

近々と寄りて確かむ冬桜   加藤照枝

2014年12月6日 土曜日

12月ごろに、それほど目立った気配もなく咲き始めるのが冬桜である。花も春のそれのようなにぎやかさもなく小振りなので、桜のようだが、と近づいてから咲いていることを納得するのである。
一句はまさにその一樹に近付いて桜の花を確認した瞬間を詠んだもの。小さく、淡い花びらが空に翳した枝々に淡々とあるのが見えてくる。
句集『糸ぐるま』  2014年  東京四季出版

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