残暑

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黒目川沿いの桜並木の葉が透かし模様になていた。どんな虫が食べるのか、どの葉もどの葉も透かし模様。いかにも残暑を象徴しているようだ。このところ、毎晩、雷が鳴って夕立がある。お陰で夜は涼しくなるのだが、いつも突然の雷に突然の驟雨を繰り返している。

この葉を眺めていると、それをせっせと食べていた毛虫を想像してしまう。

   金銀の毛虫はどこへ行くのやら  喜代子

この句に、坂口昌弘氏から、いままで毛虫の行方を思った人がいるだろうか。というご批評を頂いている。金色の毛並みをもくもくと動かして、一心に進むさまは妙に気になるのだ。

      老毛虫の銀毛高くそよぎけり    原石鼎

石鼎は、その毛虫が老いた毛虫だと、何処で判断するのだろうか。たぶん毛虫は己そのものなのである。

   毛虫殺す毛虫きらひの男哉    正岡子規

誰でも毛虫は嫌いだが、子規はことに毛虫が嫌いだった。そのせいか、毛虫の句が多い。しかも、その毛虫への嫌悪から詠んでいる句ばかりだった。

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